PlayWorker
起業日記 2026.05.17 読了 約4分

AI に頼んで違和感が出た時、私がやっている 3 つの対処

AI に仕事を頼むと、3 回に 1 回は何かしら違和感が出ます

文字起こしで固有名詞が変な漢字に化けている。生成された文章に「いや、こういう言い方しないんだよな」が混ざる。コードのコメントが妙に丁寧すぎて気持ち悪い。AI のアウトプットは、電子レンジで温めた料理のように部分的に冷たい場所が残ったまま出てくることが普通です。

問題は、この違和感をどう処理するかで、AI を業務に組み込めるかどうかが決まる、ということ。違和感を毎回手作業で全直しする人は、AI を使う旨みがゼロになる。違和感を放置する人は、外に出した瞬間に信頼を失う。間にいる「対処の仕方」を、自分の中でテンプレ化できているかが、AI を仕事の戦力にできるかの分かれ道です。

私が日常で使っている対処は、3 つだけ。今日はそれを公開します。


目次

対処 1:違和感の正体を、3 秒で分類する

違和感が出た瞬間、最初にやるのは「これはどのタイプの違和感か」を 3 秒で分類することです。

私の中の分類は 3 つ。

タイプ A:事実誤認
固有名詞の間違い、数字の桁ずれ、引用先の取り違え。外に出すと信頼を失う種類の違和感。

タイプ B:ニュアンスのずれ
意味は合っているけど、自分のトーンと違う。「丁寧すぎる」「軽すぎる」「妙に教科書的」のような違和感。外に出しても致命傷ではないが、自分らしさを薄める種類。

タイプ C:構造の違和感
論理展開・順序・段落構成のレベルで「噛み合っていない」感じ。読み手の理解スピードを遅くする種類の違和感。

3 タイプの判別は、慣れれば本当に 3 秒で済みます。判別すると、対処の方針が自動的に決まる。判別をしないと、全部に同じ重さで対処してしまって時間が消える


対処 2:タイプ別に、対処方法を変える

判別したら、タイプごとに別の対処をかけます。

タイプ A(事実誤認)→ 必ず手で直す
ここは AI に任せ直しません。事実は AI の得意分野ではないので、自分で資料を確認して直接書き換える。プロンプトを改良しても、次回は別の事実誤認が出るだけです。ここを甘くすると、信頼の崩壊が一気に来ます。

タイプ B(ニュアンスのずれ)→ プロンプトで再生成
「もう一度、こういうトーンで」と AI に投げ直す。私の場合は「フォーマルすぎるのを 1 段下げて」「専門用語を半分に」のような微調整指示で再出力。自分の声を AI に覚えさせる作業でもあります。3〜4 回投げ直すと、その AI のセッションだけ自分のトーンが定着します。

タイプ C(構造の違和感)→ 構成だけ自分で書き直して、肉付けを再依頼
構造の違和感は、AI に「直して」と言っても直りにくい。なので、自分が見出しと順序だけ書き直して、AI に「この骨組みで肉付けして」と再依頼する。骨組みは人間、肉付けは AI、という分業です。


対処 3:違和感ログを、週末に振り返る

3 つ目の対処は、その場の対処ではなく振り返り側の話です。

私は、違和感が出るたびに「タイプ/文脈/自分の対処」を 1 行メモに残しています。週末に 5 分だけそのメモを眺めると、自分のトーンと AI のデフォルト出力のズレが、線で見えてきます。

たとえば、

ズレが見えると、プロンプトを改良する側にもフィードバックが入る。「私の文章は段落 3 文で改行する」と最初の指示に書いておけば、毎回直す必要が消える。違和感を直す側ではなく、違和感が出ない側に少しずつ寄せていく作業です。

このログを 2 ヶ月続けると、AI を最初の出力で 8 割合わせられるようになります。残りの 2 割は手で直すだけ。これが私の今の運用です。


違和感は、AI と仲良くなる入口

AI のアウトプットに違和感が出るのは、AI が悪いんじゃなく、自分のトーンを言語化していなかっただけ、というのが 1 年運用してたどり着いた結論です。

「自分はこういうトーンで書く」を、AI が読める形で言語化していないから、AI はデフォルトの優等生トーンを返してくる。違和感は、自分の輪郭を AI に教えるための材料でしかない。

違和感が出るたびにイラッとするのではなく、「あ、また 1 つ自分のトーンが言語化できる」と思えるようになると、AI と一緒に仕事をするのが自分との対話に近くなってきます。これは AI を業務に組み込もうとしている人全員に、いつか体感してほしい瞬間です。


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それでは、また。


荒居 憧哉(PlayWorker 代表)